ギャラリー・セプチマは、当地を含む周辺一帯の再開発に伴い、2016年7月31日を持ちまして営業を終了いたします。
2010年1月7日より6年半の間、たくさんの皆様にご利用いただきましたこと、誠に感謝しております。砂川七番というほとんどの方が耳にしたことのないだろう場所で、ギャラリーなどやっていけるのだろうかと運営する当人も半信半疑のままセプチマは始まりました。それが蓋を開けてみれば、当人以上にお客様の方がこの場所に面白みを見出し、また面白みを付け加えてくださいました。
本来のギャラリーとしての利用はもちろん、レコーディングや撮影スタジオ、映画館としての利用、同窓会や学校の授業、誕生日会に結婚式、ケバブ屋の車がやってきたり、ライブでは庭で演奏してお客様を引き連れて歩いたり、出演者が自分のライブよりも自分のカレーの出来の方を心配し始め、と思えば外では花火やスイカ割りが行われ、バーベキューは恒例となり、ピザが出前され、子どもたちは駆けまわり、その隙にレコードと古本が売られるようになり、あげくは広島風お好み焼きまではじまって…だんだんここが何の場所だったのか分からなくなってくるのが愉快でした。思いもよらぬ活用法に、毎回違う場所になったようで、今回はどうなるのだろうと貸すこちらが楽しみになり、完全にイエスマンとなったまま、破壊行為さえしなければいいですよと企画を断ることは一度もなく、一緒に楽しませていただきました。また、セプチマにあるほとんどの機材や楽器や什器は、家にあるよりここにあった方がいいよと言って寄付してくださったり、無償で預けてくださっている方の物で成り立っています。そういうたくさんの方の創意と好意を原動力に今日まで続けることができました。
そうするうちに当初のこんな辺鄙な場所でやっていけるのだろうかという不安はどこかへ消え、おもしろいことさえやっていれば距離など関係なく、必ず嗅ぎつけてやって来る東京のお客様の凄さを感じ、そんな足繁く通ってくださるお客様から逆に、この場所の魅力を気づかせていただきました。いえ、東京だけではなく、割と近い甲信越方面や、関西、そして海外からもわざわざやって来られる凄さに感心し、また感謝もいたしました。
そして何より、静かな住宅街に突如現れた防音も何もない一軒家での騒ぎを許容してくださった大家さんはじめ、近隣住民の方々の心の広さに最大の感謝を捧げます。皆様のお心遣いなしにはセプチマは成り立ちませんでした。本当にありがとうございました。
振り返れば切りがありませんが、人生に終わりなき宴なしという言葉もあるように、皆様におかれましてもここらで一区切りつけて、さあ次の宴に向かおうかと思っていただければ幸いです。
また、セプチマに近しく関わってくださった方々に対して、このように文書での突然のご報告になりましたことをお詫び申し上げます。
さて、お察しの通り冠婚葬祭の挨拶めいてまいりましたので、この辺りでそろそろ終わりに。
今までたくさん通ってくださった方々、一度でも来てくださった方々、行ったことはないけど気にかけてくださった方々、そして最初から今日までずっとこの場所を支えてくださった皆様、全ての方々に感謝いたします。どうもありがとうございました!
2016年5月20日 ギャラリー・セプチマ 波田野州平